自己破産したことをバレずに秘密にできるか
- 「自己破産したことは誰かにバレるのか?」
- 「自己破産すると家族や会社にバレるのか?」
自己破産は、多重債務に苦しむ方の経済的な回復を目的に国が作った制度です。
そのため、自己破産することは単に国の制度を利用しているだけなので、当然罪にはなりません。
しかし、自己破産の社会的イメージは悪く、家族や会社にバレるのを恐れる方が多いのです。
弁護士に自己破産の手続きをお願いすれば、同居した家族以外にバレる可能性は非常に低いでしょう。
つまり、知人や友人、会社にバレる可能性は、ほぼないということです。
ただし、バレる確率が高くなるケースはあります。
そこで、自己破産したことが会社や家族などにバレるケースや、バレにくいケースがどのようなものなのか確認していきましょう。
自己破産とは

まず。自己破産について簡単におさらいしておきましょう。
自己破産とは何なのか?
自己破産とは、破産者(自己破産する方)の財産を清算して債権者(お金を貸したクレジットカード会社・消費者金融・銀行など)に配当する「破産手続」と、裁判所に借金が「支払い不能状態」とみなされることで借金の返済を免除してもらえる「免責手続」という2つの手続きを行う「債務整理(借金問題を法的に解決するために国が作った制度)」の一つです。
つまり、自己破産とは「財産を失う代わりに借金をチャラにしてもらえる手続き」といえるでしょう。
自己破産の詳細はこちら
自己破産には2つの手続きがある
自己破産の手続きは、清算すべき財産の有無に応じて以下2つの手続きに分類されます。
・同時廃止
「20万円以上の価値ある財産」、「99万円以上の現金」を持たない方が行う自己破産の手続き。清算対象となる財産がないため、破産手続の開始と同時に破産手続廃止が決定することから同時廃止と呼ばれている。
同時廃止事件の詳細はこちら
・管財事件
「20万円以上の価値ある財産」および、「99万円以上の現金」を持つ方が行う自己破産の手続き。管財事件では、破産管財人が破産者の財産を収集して換価(お金に換えること)することで、債権者に配当する手続きとなっている。なお、「破産管財人」とは自己破産の手続きをサポートするために、破産者の監督・指示を行ったり、財産の管理、清算といった手続きを行ったりするスタッフのこと。
管財事件の詳細はこちら
自己破産したことが知人や友人にバレるのか?
まず、自己破産しても、基本的に知人や友人にバレることはないでしょう。
自己破産すると「官報」と呼ばれる政府が発行する広報誌に、破産者の名前や住所、自己破産したことなどが載ります。
しかし、官報を一般の方が見る機会はほとんどないため、知人や友人に自己破産したことがバレることはまずありません。
そのため、自分から口外しない限りは、知人や友人に自己破産したことがバレる可能性は低いでしょう。
自己破産したことが会社にバレるのか?
自己破産したことが会社にバレると、仕事に影響が出るのか不安だと思いますので説明します。
自己破産したことが会社に連絡されるのか?
自己破産しても、裁判所から会社に電話連絡が来たり、郵便物が届いたりするようなことはありません。
そのため、自己破産しても会社にバレることは、ほぼないでしょう。
ただし、以下で紹介するケースにおいては、会社に自己破産したことがバレる可能性もあります。
退職金見込額証明書の発行時にバレることがある!?
破産手続をするためには、「給与明細」、「源泉徴収票」および「退職金見込額証明書」が必要になります。
これらの書類は、お勤め先の会社で人事部などにお願いすれば入手することが可能です。
その際、給与明細と源泉徴収票については、特に問題なく入手できると思うのですが、問題は退職金見込額証明書でしょう。
なぜなら、退職金見込額証明書の発行には理由が必要になるため、伝え方によっては会社にバレるリスクがあります。
なお、退職金見込額証明書とは、現段階で会社を退職した場合、退職金がいくらもらえるのかを証明する書類のことです。
そのため、会社に対して「自己破産で必要になって……」などと説明してしまうと、流石ににバレてしまいます。
よって、「住宅ローンの組み換えで必要になった」、「ファイナンシャルプランナーから要求された」など、自己破産を連想させないような理由を考えて、会社に説明するようにしましょう。
いっぽう、退職金見込額証明書は自分で発行することも可能です。
一般的な会社の就業規則内にある「退職金規定」には、退職金の計算方法が記されていますので、それを参考にして自分で退職金見込額を算出することができます。ただし、添付書類として、退職金規定のコピーなどが必要です。
会社から借金している場合
会社から直接借金をしている方が自己破産した場合は、会社にバレてしまいます。
自己破産すると債権者である会社にあなたが自己破産したという通知が届くからです。
また、管財事件になった場合は、債権者である会社も破産手続に参加する必要があります。
そのため、会社から借金している場合には、自己破産したことを会社に内緒にしておくのは無理だということを覚えておきましょう。
いっぽう、労働組合や共済組合などからの借金がある場合も同様です。
自己破産すると、窓口である会社や共済組合に、裁判所から通知が届く可能性があります。
給与が差し押さえになった場合
借金の返済を滞納し続けると、債権者に控訴され裁判所の強制力によって給与が差し押さえられます。
その際、裁判所と債権者から会社に連絡入るため、あなたに借金があることが会社に知られるわけです。
したがって、給与が差し押さえになった状態で自己破産した場合には、会社にバレる可能性が高いでしょう。
会社に自己破産したことがバレるとどうなるの
会社に自己破産したことがバレてしまっても、自己破産を理由にクビにされることは法律で禁じられています。
「客観的に合理的な理由があり、かつ社会通念上相当である」と認められない限り会社は社員を解雇できないため、自己破産したことだけを理由にクビにすることはできないのです。
また、就業規則に「自己破産を理由に解雇処分とする」という規定があったとしても、法的な効果はありません。
したがって、自己破産を理由に会社を解雇されたり、懲戒処分されたりした際には、弁護士に相談して対応を検討しましょう。
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自己破産したことが家族にバレるのか?
自己破産を家族にバレないように行いたいという方は非常に多いのですが、なかなか厳しいと言わざるを得ないでしょう。
手続きを弁護士に頼まず自分で行う場合
自己破産は裁判所を介する手続きになるため、厳格なルールに則った非常に複雑な手続きです。
そのため、自己破産する際には、弁護士に依頼するのが一般的といえるでしょう。
しかし、自己破産の手続きは、弁護士に頼まず自分で行うことも可能です。
そのため、まれにですが、ご自分で自己破産の手続きを行おうとする方もいます。
弁護士に自己破産の手続きをお願いした場合には、裁判所や債権者とのやり取りをすべて代行してもらえるため、あなた自身が直接連絡する必要はありません。
そのため、同居した家族でなければ、自己破産したことがバレる可能性は非常に低いでしょう。
ただし、自分で自己破産の手続きを行った場合には、裁判所や債権者から自宅に電話がかかって来たり、郵便物が届いたりするため家族にバレることになるのです。
同居した家族がいる場合
前述したように、同居した家族がいる方は、自己破産するとバレる可能性が非常に高いです。
同居した家族と生活費を共有している場合には、家族の預金通帳などの提出が必要になりますし、同居した家族に収入がある場合には給与明細書も必要になります。
ですので、たとえ弁護士に手続きをお願いしたとしても、こうした提出書類を同居した家族に内緒で入手するのは非常に困難であるためバレてしまう可能性が高いのです。
管財事件の場合
管財事件になった場合には、20万円以上の財産や99万円以上の財産が清算対象になります。
そのため、家にある高価な財産が無くなることで、家族に自己破産したことがバレる可能性はあるでしょう。
特に、自宅や車などは家族への影響も大きいため、バレないようにするのは難しいと思われます。
また、管財事件になると、破産管財人が家に訪問して財産のチェックを行う場合もありますので、家族に何らかの説明を求められても仕方ないでしょう。
自己破産の管財事件とは?
ブラックリストに載る影響
自己破産すると「信用情報」と呼ばれる、クレジットカード会社や消費者金融、銀行などの貸金業者と顧客の取引履歴や債務整理に関する情報が記録されたものに、事故情報として登録されます。
その結果、5年~10年程度の間は、貸金業者から新たな借入ができなくなってしまうのです。
この状態が、「ブラックリストに載る」と言われる状態になります。
ブラックリストに載ると、
・クレジットカードの利用や発行ができない
・ローンが組めない
・奨学金の保証人になれない
といったデメリットが発生するため、
「どうしてカードが使えないの?」
「どうしてローンが組めないの?」
「どうして奨学金の保証人になってくれないの?」
といった疑問をきっかけに、家族から怪しまれる可能性もあるでしょう。
自己破産は家族に秘密で進められる?
ブラックリストの詳細はこちら
連帯保証人付きの借金がある場合
連帯保証人付きの借金がある方が自己破産すると、借金の返済義務が連帯保証人に移動します。
そのため、債権者から連帯保証人に連絡がいくため、あなたが自己破産したことがバレることになるのです。
そして、連帯保証人になってくれた方に、多大な迷惑をかけることになります。
自己破産には「債権者平等の原則」というルールがあるため、特定の借金だけを債務整理の対象から除外することや、特定の債権者の借金だけを優先して返済する「偏頗弁済(へんぱべんさい)」は禁止事項です。
したがって、連帯保証人付きの借金がある方が自己破産しようとする場合には、前もって連帯保証人になってくれた方に事情を説明しておくべきでしょう。
自己破産で連帯保証人に与える影響
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