おまとめローンと債務整理の違いをメリット・デメリットの点から解説
- 「おまとめローンって毎月の返済は楽になるのかな?」
- 「債務整理もよさそうだけど結局どの方法が一番お得なのだろう?」
借金問題を解決する方法として代表的なものに、「おまとめローン」と、「債務整理」があります。
実際のところ、どちらの方法も一長一短がありますし、人によって状況も異なるので、一概にどちらがいいとはいえません。
減額効果を求めるなら債務整理が良いですが、債務整理にはおまとめローンにはないリスクが存在しますので、どちらがその人に合っているかを決めるには総合的に判断が必要になってきます。
そこで今回は、おまとめローンと債務整理では、結局どちらがあなたにとってお得なのかを知っていただくため、それぞれの概要についてお話していいましょう。
おまとめローンとは?

おまとめローンとは、簡単に言えば借金を一本化するための方法です。
おまとめローンによって返済先を一つにまとめることができるため管理が楽になります。
また、現状よりも低い金利でまとめることで、返済額においてもメリットが得られるでしょう。
おまとめローンのメリット
おまとめローンのメリットには以下のような点が挙げれれます。
- 金利を下げることができる
- 毎月の返済額を下げることができる
金利については、今より低い金利のカード会社(クレジットカード会社・消費者金融・銀行)で借りれば良いわけですね。毎月の返済額も、カード会社を選べば下げることが可能です。具体的には以下のような状況が想定できます。
※あなたの借入状況
・アイフル
借入額30万円
毎月の返済額13,000円(利息18%の最低返済額、29回払い)
・プロミス
借入額30万円
毎月の返済額11,000円(利息17.8%の最低弁済額、36回払い)
上記のような状況で借り入れている場合、借入総額60万円で、毎月の返済総額は24,000円となりますね。
そこで、毎月24000円の支払いを減額するため、おまとめローンをするとどうなるでしょう。
※楽天銀行カードローンでまとめた場合
借入額60万円
毎月の返済額15,000円(利息14.5%、55回払い)
※みずほ銀行カードローンでまとめた場合
借入額60万円
毎月の返済額2万円(利息14%、38回払い)
※三菱UFJ銀行のバンクイックでまとめた場合
借入額60万円
毎月の返済額12,000万円(利息12.6%、72回払い)
上記、3つのカードローンで例を挙げましたが、毎月の返済額が減っているのがお分かりいただけると思います。
- 楽天銀行カードローン 差額9,000円(24,000 – 15,000円)
- みずほ銀行カードローン 差額4,000円(24,000 – 20,000円)
- 三菱UFJ銀行のバンクイック 差額12,000円(24,000 – 12,000円)
三菱UFJ銀行のバンクイックにおいてはかなりの減額効果が得られており、毎月の返済額が半分になっています。
利息も、消費者金融で17.8~18%だったものが、銀行系カードローンでまとめたことで、12.6%~14.5%まで下げることができていますね。
返済回数は伸びていますが、毎月の負担を楽にすることはできています。
このように、毎月の返済額を減額したい方にとって、おまとめローンはメリットのあるものと言えるわけです。
なお、消費者金融で借りている方がおまとめローンを利用する場合、毎月の返済額や金利を下げるには、銀行系カードローンを選択することになるでしょう。
おまとめローンのデメリット
おまとめローンには上記のようなメリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。
それは、返済する利息の総額が増えてしまうということです。以下の例をご覧ください。
・アイフル
借入額:30万円
金利18%
毎月の返済額13,000円
→返済期間29ヶ月 返済総額377,000円 利息総額77,000円
・プロミス
借入額:30万円
金利18%
毎月の返済額11,000円
→返済期間36ヶ月 返済総額396,000円 利息祖額96,000円
上記のとおり、おまとめローンを利用せずにそのまま返済した場合の利息の総額は、173,000円となります。
それでは、おまとめローンを利用するとどうなるでしょうか。
先ほどの例で、最小返済額であった三菱UFJ銀行のバンクイックを例にして見てみましょう。
・三菱UFJ銀行のバンクイック
借入額60万円
毎月の返済額12,000円
金利14.6%
→返済期間78ヶ月 返済総額936,000円 利息総額336,000円
だいぶ利息が大きくなっていることがお分かりいただけますよね。利息が2倍弱になっています。
利息総額が増えれば、当然返済期間も長引くことになり、2倍以上の期間がかかることになります。
年数にしておよそ3年半の差。
このように、毎月の返済額を減らすと一時的には楽になったような感じがしますが、結果的には多くの利息を長期間返済していくことになってしまうのです。
おまとめローンは状況によってはこのようなデメリットを抱えることになるので、しっかりと確認してから利用するべきと言えるでしょう。
債務整理とは?
債務整理とは、法的に借金問題を解決する方法で4種類あります。
それぞれ特徴がありますので見ていきましょう。
任意整理とは?
任意整理は、あなたとカード会社の和解によって進める手続きで、基本的には弁護士や司法書士を介して和解を進めます。
任意整理をすることで、借金の利息や遅延損害金をカットできるので、元本だけを計画的に返済していけるようになります。
また、過払い金請求(払いすぎた利息を取り戻すこと)ができる場合は、戻った過払い金を借金に充てることができるため、さらに効率的に完済を目指すことが可能です。
任意整理は、原則5年以内で完済する手続きであるため、元本÷60ヶ月(5年)の金額を毎月返済していけるかどうかが、任意整理を利用できるかどうかの目安になるでしょう。
任意整理の詳しい内容はこちら
特定調停とは?
特定調停は任意整理と同じく、借金の利息と遅延損害金をカットするための手段ではありますが、手続き方法が任意整理とは異なります。
任意整理はカード会社とあなたの和解によって手続きを進めますが、特定調停は簡易裁判所を通して和解する形となり、原則としてあなた自身が手続きを行います(裁判所選定の調停委員による仲介があります)。
その他、任意整理と異なる点は、過払い金請求を同時に進めることができない点です。
過払い金は平成20年より以前に借りている方が対象になるため、思い当たる方は任意整理のほうが良いかもしれませんね。
また、特定調停は原則3年(状況によっては5年)で完済していくことになりますが、もし計画通りに返済が進められないと、すぐに財産が差押えられてしまうので注意しましょう。
過払い金とは?2008年以前に借金していた人必見!!
個人再生とは?
個人再生は借金を1/5にした金額と、100万円を比較していずれか高いほうの金額を返済していく方法です(3000万円~5000万円は1/10)
例えば、あなたの借金が300万円だった場合、100万円まで減額することができ、1500万円だった場合は300万円まで減額できるというわけです。
また、個人再生には「住宅ローン特則」という制度があるので、マイホームを維持しながら返済を進めていけるというメリットもあります(自己破産は全てのほぼ全ての財産を没収されます)。
なお、個人再生の手続き後に、計画通りに返済できなかった場合、計画自体が取り消されてしまい、減額前の金額を全額返済しなければならないケースもあるので注意しましょう。
個人再生の詳しい内容はこちら
住宅ローン特則について詳しくはこちら
自己破産
自己破産は債務整理の中で最も減額効果の高い方法で、借金をゼロにすることができます。
その減額効果の反面、手持ちの財産はほぼ全て没収されるというデメリットがあるので注意しておきましょう。
簡単に言えば、借金と財産を相殺するというイメージですね。
ちなみに、自己破産は、借金をした経緯や理由によっては免責が認められないケースもありますでの頭に入れておきましょう(ギャンブルや遊興費など)。
自己破産はリスクの高い方法なので、借金が増えすぎて自分では処理しきれなくなった方が最後に行う最終手段というイメージです。
自己破産の詳しい内容はこちら
4種類の債務整理に共通するメリット
上記の説明で、4種類の債務整理の特徴をお分かりいただけたかと思います。
そして、それぞれの債務整理に共通するメリットは以下の点が挙げられます。
借金完済の目処がたつ
任意整理や特定調停であれば、利息や遅延損害金がカットでき(任意整理であれば過払い金請求も可能)、個人再生や自己破産であれば借金の元本自体を減額することができます。
これにより、債務整理をすると借金完済の目処をたてることができます。
督促を止めることができる
債務整理をすると、弁護士や司法書士から「受任通知」をカード会社に対して送ります。
そして、カード会社が受任通知を受け取った時点でカード会社からあなたに直接取り立てができなくなり、原則として弁護士や司法書士を通してしかやり取りができなくなるのです(特定調停については裁判所からの申立て受理通知を受け取った段階)。
なお、この規則を破って取立てを行った場合、カード会社に対して罰金や懲役、免許取り消しや営業停止などの行政処分の可能性があります。取立てが止まるのも納得できますね。
4種類の債務整理に共通するデメリット
債務整理にはもちろんデメリットもあります。全ての債務整理に共通のデメリットは以下のような点が挙げられます。
ブラックリストに載る
債務整理をするとブラックリストに事故情報(債務整理をしたという事実)が載ってしまいます。
なお、ブラックリストというひょ減は俗称で、実際にはし信用情報機関に、事故情報が載ることを言います。
ブラックリストが解除されるまでの期間は債務整理の種類によって異なり、以下のようになります。
- 任意整理、特定調停5年
- 個人再生、自己破産5~10年
なお、ブラックリストに載っている間は、カードを作ったり、利用したりすることができません。
そのため、クレジットカードが必要な人は、デビットカードや家族カードを作って代用する人もいらっしゃいます。
債務整理におけるブラックリストについて詳しくはこちら
費用がかかる
債務整理には費用がかかります。具体的な費用は弁護士(または司法書士)事務所によって異なります。
債務整理とおまとめローンの比較
これまでの説明で、おまとめローンや債務整理についての概要をご理解いただけたと思います。
それでは、結果的におまとめローンと債務整理ではどちらがお得なのでしょうか。それそれの違いをご説明していきましょう。
返済額や返済期間の違い
おまとめローンと債務整理の最大の違いは、その返済総額と言えるでしょう。
自己破産や個人再生においては言うまでもありませんね。
借金の元本自体をゼロにしたり、1/5(または100万円)にしたりできるのですから、明らかにおまとめローンより減額効果が優れているとお分かりいただけるでしょう。
それでは、任意整理や特定調停においてはどうでしょうか。
任意整理や特定調停は利息をカットすることができるので、任意整理後は借金の元金だけを返済すればよくなりますが、おまとめローンは借金をまとめているに過ぎないので、今まで通り金利も含めた額をを返済していかなければなりません。
先ほどの、おまとめローンでの例を思い出していただくと、プロミスとアイフルでの借金を、三菱UFJ銀行のバンクイックでまとめた場合、利息と返済期間は以下のようになりましたね。
借入額60万円
毎月の返済額12,000円
金利14.6%
→返済期間78ヶ月 返済総額936,000円 利息総額336,000円
ここで、任意整理や特定調停を利用するとどうなるでしょうか。
まず、利息の336,000円が返済不要になるので、元本の60万円だけ返済すればよいことになります。
また、任意整理や特定調停は最長5年で返済すればよいので、60ヶ月で割ると、毎月1万円返済していけば5年で完済です。
任意整理や特定調停を利用することで、毎月の返済額を1万円に減額でき、返済期間も1年半縮めることができまたね。
このように、減額効果だけで見ていただければ、明らかにおまとめローンよりも債務整理のほうが優れいているとお分かりいただけるでしょう。
ブラックリストについて
しかし、減額効果だけでは比較できませんね。人によっては、どうしてもブラックリストに載りたくない、という人もいるでしょう。
債務整理はその減額効果の一方、ブラックリストに載るというリスクは避けて通れません。
その反面、おまとめローンであればブラックリストに載ることもありませんので、この点を気にされる人はおまとめローンのほうが良いのかもしれません。
とは言うものの、借金問題を抱えている人にとって、今以上に借りられてしまうリスクというものもあります。
ブラックリストに載ることで、一定期間借金することに制限がかかりますが、一定期間借金できないことをプラスに捉え、再起するための時間と捉えれば、決してマイナスばかりではありません。
費用について
費用についても、おまとめローンは必要ありませんが債務整理では必要です。
費用の詳細は事務所によって異なりますので一概には言えませんが、減額できる額と費用を比較して決めてみてはいかがでしょうか。
実際の費用や、借金の額にもよりますが、多くのケースでは減額効果のほうが高いといえるといえるでしょう。
なお、費用は分割払いに対応している事務所も多くありますので、支払いが厳しい方は相談してみると良いでしょう。
結局おまとめローンと債務整理はどっちが得か?
結局、減額効果という点だけで捉えれば、明らかに債務整理のほうが得であるということがお分かりいただけるでしょう。
しかし、ブラックリストに載ることや、費用がかかる点も加味すると、後は各個人の考え方や状況にもよります。
結論として、どちらがお得か?に対する回答は、単純に金額だけで捉えれば「債務整理」ということになります。
まとめ
- おまとめローンはまとめるカード会社によっては、金利や毎月の返済額を抑えることができる
- おまとめローンで毎月の返済額を抑えた場合、結果的に利息の総額が大きくなり、返済期間が長引く可能性に注意が必要
- 債務整理は借金の利息や元本自体を減額したりゼロにしたりすることができる
- 債務整理のデメリットは、ブラックリストに載ることと、費用がかかること
- 減額効果だけで考えれば、おまとめローンよりも債務整理を利用したほうがお得
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