引っ越しに影響する債務整理もあるので注意しよう
- 「債務整理後に引越しをしようとしても、保証会社の審査が通らないって本当なのかな?」
債務整理を行った後、現在住んでいる賃貸マンション、アパートに住み続ける場合は特に問題は起こりませんが、引越しをしたくても、保証会社の審査が通らず、物件が見つからないという話があります。
結論から述べると、確かに引越しに制限がない訳ではありません。
今回は、債務整理すると引越しに制限がかかるのか?という点について、詳しく解説していきます。
債務整理後に引越しをする場合の注意点

債務整理後に引越しをする上で、注意するべきことはあるのでしょうか?
先に結論から述べると、債務整理後でも、新規に賃貸を借りる契約を結ぶことは、出来ます。
ただし、下記のケースでは、新たに賃貸契約を締結することが難しいです。
①家賃がクレジットカード払いのみに対応
②保証会社が信販系保証会社
家賃がクレジットカード払いのみに対応
上記でも説明した通り、債務整理後はブラックリストに載るので、以後5~7年程、クレジットカードは使えなくなります。
借主側に「クレジットカードが使えない」ということが知られると、家賃の未払いのリスクなどを考慮されて、賃貸契約を断られる可能性が高いのです。
保証会社が信販系保証会社
保証会社が、信販系保証会社だと、入居審査の際、あなたの信用情報を調べられるので、ブラックリストの載っていることがバレてしまいます。
したがって、入居を断られる可能性が高いでしょう。これについては、ブラックリストが削除されるのを待つより他、手立てがありません。
保証会社の不要な物件か、信販系以外の保証会社でよい物件を探す方が現実的でしょう。
ブラックリストの詳細はこちら
債務整理後に引越しの審査に落ちる原因
現在、(特に都内で)賃貸契約を結ぶ際には、ほとんど必ずといってよいほど、保証会社をつけるようになっています。
賃主が保証会社をつけたがる理由は、家賃の滞納のリスクを減らすためですが、一方で(連帯)保証人が立てられないような人にとっても、保証会社はありがたい存在です。
ところが、債務整理後の引越しの場合では、この保証会社が障害となることがあるのです。
信販系保証会社だと審査に落ちる
保証会社が、信販系保証会社だと、入居審査の際、あなたの信用情報を調べられるので、ブラックリストの載っていることがバレてしまいます。
したがって、入居を断られる可能性が高いでしょう。こればかりは、ブラックリストが削除されるのを待つより他、手立てがありません。
なお下記は、信販系保証会社の一覧です。
信販系保証会社
- (株)アプラス
- (株)エポスカード
- (株)オリエントコーポレーション
- (株)ジャックス
- (株)ライフ
- (株)セディナ
- (株)セゾン
だいたい、このあたりがよく見かける信販系保証会社となります。これら信販系保証会社は、クレジットカードの発行会社による家賃保証サービスをおこなっている会社であり、CIC、JICC、JBAなどのクレジットカードやローンの審査の際に参照される個人信用情報機関の情報を、正式に参照できる家賃保証会社です。
クレジットカードの審査の手法を使って、借主の支払い能力の有無などを調べていると考えられます。
債務整理後でも審査に通りやすい保証会社は?
それでは、どのような保証会社なら、債務整理後でも審査に通りやすいのでしょうか?
整理すると、
①LICC系保証会社
②LGO系保証会社
③独立系保証会社
...の3つとなります。
LICC系保証会社とは
LICC系保証会社は、全国賃貸保証業協会(LICC)に加盟している保証会社です。
全国賃貸保証業協会の審査では、個人信用情報センターの照会を行いません。申し込みした人の年収や家族構成、職業などによって審査をします。
下記は、LICC系保証会社の一覧です。
LICC系保証会社
- (株)アルファー
- アーク(株)
- (株)エム・サポ
- エルズサポート(株)
- 興和アシスト(株)
- (株)ギャランティー・アンドファクタリング
- (株)近畿保証サービス
- ジェイリース(株)
- 全保連(株)
- 賃住保証サービス(株)
- ホームネット(株)
- (株)リクルートフォレントインシュア
- (株)レジデンシャルサービス
また、これら加盟店同士で連携して情報交換も行っています。なので、もし審査に落ちると、他の加盟保証会社でも審査に落ちやすいといわれています。
独自の審査となるので、債務整理後でも審査に通りやすいといわれてます。
LGO系保証会社
LGO(賃貸保証機構)も、基本的に独自審査の保証会社ですので、個人信用情報センターからの照会を行いません。
また、各社との横のつながりも薄く、それぞれが判断しています。なので、Casaの審査は落ちたけど、日本セーフティーの審査は通った、というケースもありえます。
下記は、LGO系保証会社の一覧です。
LGO系保証会社
- ALEMO(アレモ)(株)
- (株)Casa(カーサ)
- 日本セーフティー(株)
- フォーシーズ(株)
審査に通りやすい反面、過去に問題を起こしている業者も、あります。
審査に通りやすいと言われる一方、LGO加盟店には、過去に問題を起こしてしまった業者も、含まれています。念のために、契約する前にネットで業者名を検索して、健全な業者なのかチェックした方がよいでしょう。
独立系保証会社
こちら独立系保証会社も、審査の際、個人信用情報センターの照会を行いません。横のつながりもなく、各社独自の基準で審査をおこなっています。また、この分類の業者に、ガイドラインや規制は存在しません。
下記は、独立系保証会社の一覧です。
独立系保証会社
- アールエムトラスト(株)
- (株)アルファー
- (株)イントラスト
- SFビルサポート(株)
- (株)オーロラ
- (株)CAPCO AGENCY
- (株)近畿保証サービス
- ジェイリース(株)
- 新日本信用保証(株)
- (株)セブン総合保証協会
- (株)総商(AAAホールディングス)
- (株)ナップ
- 日本賃貸保証(株)(JID)
審査の通りやすさもマチマチで、一部の会社は審査が厳しいともいわれています。
のみならず、評判の良い会社、悪い会社(過去に問題を起こして裁判沙汰になっている)とが入り混じっているので、注意が必要です。
現在は健全化が進んでいると考えたいのですが、どの程度進んでいるのかを判断する術がありません。ネットで業者名を検索して、しっかりと健全な業者なのかチェックした方がよいでしょう。
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まとめ
債務整理後に引越し先を探す際、もっともポイントとなるのが、どこの保証会社なのかを確認することです。
保証会社が信販系ではない限り、債務整理が原因となって審査に落ちることは、まずありません。不動産会社に物件の問い合わせを行う際「どこの保証会社ですか?」と聞いてみましょう。
不動産会社は、レインズという物件情報のデータベースを照会しており、各会社が共有しているので、物件の保証会社が信販系だった場合、どこの不動産会社から申し込もうが、同じ保証会社の審査を受けなくてはならず、借りることはできません。
なお、不動産会社は基本的に提携している保証会社を利用することになっています。1社連携のこともあれば、複数連携していることもあるので、引越し前に、念のために問い合わせてみるとよいでしょう。
- 債務整理後に引越しをする際、物件の保証会社が信販系保証会社だと、審査には落ちる
- 債務整理後に引越しをする際は、物件の保証会社が「LICC系保証会社」「LGO系保証会社」「独立系保証会社」だと審査が通りやすい
- 引越しをする前に「家賃の引き落としが指定のクレジットカードのみの対応」になっている場合は、不動産会社との交渉が必要となる
- 審査に通りやすい保証会社でも、過去にトラブルや裁判沙汰となっている業者もあるので注意すること